- 社員が副業先で健康保険・厚生年金保険の加入対象となった場合、二重で入ることになるの?
- 副業先の人事労務担当者さんとやり取りは必要?
- 特別な手続きはある?
副業解禁を検討している担当者さんにとって、健康保険と厚生年金保険の加入については大きな関心ごとだと思います。
今回は、社員が他社との雇用契約で副業を始めた場合の健康保険・厚生年金保険の適用について記載していきます。
なお、ここでは社会保険という言葉を使わず、健康保険・厚生年金保険に絞って解説をしています。
これは、雇用保険と労災保険は扱いが異なるのと、社会保険という言葉は人によって認識が異なるからです。
雇用保険と労災保険については、関連記事で解説していますのでそちらをご確認ください。
【先に結論】社員が副業先で加入対象となる場合、副業社員はどちらかの会社の管轄の年金事務所及び医療保険者を選択し、選択された年金事務所及び医療保険者において各事業所の報酬月額を合算して、標準報酬月額を算定し、保険料を決定します。
副業先での健康保険・厚生年金保険の加入対象となる場合
どんなときに副業先で健康保険・厚生年金保険の加入対象となるか?
他社で副業を行う社員が健康保険・厚生年金保険の加入対象となるのは、下記の2点をすべて満たした場合です。
- 副業先との契約形態が雇用契約である
- 副業先での契約期間・労働時間・賃金等が健康保険・厚生年金保険の加入要件に該当する
なお、2点目の詳細については下記をご参照ください。
なお、企業との業務委託契約による副業の場合は、社会保険の加入対象ではなくなるため、特別な手続きは不要となります。
本人が、被保険者所属選択・二以上事業所勤務届を提出
副業先でも健康保険・厚生年金保険の加入要件を満たす場合、副業社員は、どちらかの会社の管轄の年金事務所及び医療保険者を選択します。
そして、年金事務所及び医療保険者において各事業所の報酬月額を合算して、標準報酬月額を算定し、保険料を決定します。
この手続きは、副業社員本人が「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を選択した年金事務所・医療保険者に直接提出することにより行います。
※本業・副業先に提出する必要はありません。
各事業主は、被保険者に支払う報酬の額により按分した保険料を、選択した年金事務所に納付(健康保険の場合は、選択した医療保険者等に納付)することとなります。